池上永一『シャングリ・ラ』

シャングリ・ラ

シャングリ・ラ

面白かったー、としか言いようがないって。
完全にキャラクター小説とも言えるけど、最近のヘタなアニメやマンガより数倍それに徹して物語を展開していて、読んでて清々した。後半はドンパチやってはひっくり返し、ひっくり返ってまたドンパチやって、その息つく暇の無さったらとても小説とは思えない。
テーマは……みたいな事を言い出したら語るところは多々ありそうだけど、……ぶっちゃけ作者が視覚的に見出した「東京」像というおもちゃ箱を、自分で猛烈に弄くり回してたらこんな形になっちゃった、くらいなんじゃないかなあ多分。東京に対する信仰や思想が無いから、マンガ的な元ネタで面白いなら即採用、即全力展開、節操なんて微塵もなし!とか。そんくらいが、気持ちいい。
SFはどこ行ったとか、とんだご都合主義とか、んな言葉はナンセンス。楽しんだモン勝ち。
 
藤原カムイのマンガのイメージで読むと、カッチリ来るかもしんない。つうか、漫画化するなら藤原カムイに一票w