冲方丁『マルドゥック・スクランブル 燃焼・排気』

半年も空けて、新作が出たのを機に読み終える2・3巻。
なるほど、すっげえカジノのシーン。
ギャンブルは、ある常人の計算では追いつかないレベルまでは確率論の世界、そこを過ぎると運の世界、それを突き抜けて表現してるなあ。そこがSF。そこがSF?いや、そこがSFだよ。
SF要素は「道具」として活かし、物語でガツンと勝負する作品として、大爆走していると言う印象。ヒューマン・ドラマ一直線の構成。メッチャクチャ勢いに乗りながら。
シリーズ続編を待ち焦がれていた声の大きさも理解出来る。
これも初心者に薦めやすそうな作品であるな。まあ、韻の多用やイメージしにくい舞台設定から1巻は読みづらい印象があったけど、始めの100ページは我慢して読むのがSFと、薦める時には付け加えてしまえばいいんだろうな。
 
でも、『ヴェロシティ』は3巻が売り場に揃ってから考えよう。なんとなく。