サミュエル・R・ディレイニー『ノヴァ』

ノヴァ (ハヤカワ文庫SF)

ノヴァ (ハヤカワ文庫SF)

とりあえず面白いことは面白かった。ただ、SFなアイディアにビックリと言う感覚はほぼゼロに近いなあ。
それよりも、物語の組み方がかなり珍妙と言うか。凝りすぎと言うか。神話や聖杯伝説なんて知らないので、イメージ喚起のツールくらいに捉えて、まあオタク好みそうなスペオペと言う見方で、なんとか読み終えた。
ローク艦長とレッド兄妹との対決は、もう少し派手な描写や、兄妹間の秘密が知らされる展開とか期待していたのだが、割とアッサリとしてて拍子抜け。それでも最後のプリンス登場シーンはちょっとギョッとさせられたが。
 
この作品があったから昔観たあんなアニメやこんなマンガが……とか、感慨深く思ってみた。劣化コピーだったなあアレとか。