思いつきなメモ

アニメ感想のブログなんぞを徘徊してると、ここ数年はとことんU帯アニメ全盛なご時世だなと感じる。
個人的にはU帯アニメというとやっぱりギャルゲー・エロゲー原作のどうしようもないアニメ、そんな深夜初期の印象を持っていて、主流が萌え漫画、そしてラノベと移行した現在でも、なんとなくB級以下という先入観が拭えずにいる。別に全部が全部つまらないという訳でもなく、最近のテレ朝・テレ東深夜作品と比べるとむしろまだマシくらいなモノもあることにはあるのだ。
ただ、深夜アニメ全般にマンネリ感が生じてきているのは否めない、とは考えられないだろうか。
そういう中でフジテレビのノイタミナ枠は面白いことをやっているな、という印象を受ける。オタク的な言い方をすれば「オサレ系アニメ」に特化しているのがミソだ。これは深夜にテレビを観る層を良く理解して戦略立てているなあと、感心する。作品のセレクトは結構コテコテな少女漫画ヒット作中心だが、暇な大学生くらいの層にはクリーンヒットしそうなモノが多い。
萌え全盛になる前は、深夜枠で様々な実験作がちょこちょこ放送されていた。現状はそれらが商業的視点から淘汰されていった結果と言えるのかも知れない。だが、それは少し寂しい。オタクがつまらないと切り捨てるような作品をオタクでない人間が評価して、新たなアニメの可能性を見い出すというのも、全くないとも言えないと思うのだが。特に、幅広い若年層が視聴している深夜帯ならば。
深夜アニメのマンネリ化は、同時に原作となった漫画・ラノベ・ゲームがマンネリ化している可能性が高い。そしてその理由は、オタク的な想像力しか持たないオタクが作り手となって、縮小再生産を繰り返しているせいなのではなかろうかと。
ならばいっそオタク的な文化から離れた作品を原作に持ってきてはどうだろう。むしろ日本むかしばなしとか世界名作劇場なんかを、深夜で全面リメイク。新潮文庫の海外古典をまとめてアニメ化とか。まあ別に何処の出版社でも良いし、別に古典でも名作でもなくとも良いのだけれど。河出でも幻冬舎でも。良い作品ならば。
まあ「それって『ゲド戦記』?」「あー、『岩窟王』?」「あれでしょ?『リヴァイアス』は『蠅の王』じゃん?」「『ふしぎの海のナディア』でしょ?『海底二万里』が元でさ」とばかりに、実例多数のオマケ付きでありふれた話じゃないかと言われてしまいそうだが。でもなあ、これもこれでだいぶSFやファンタジーに偏っているセレクトではあるし。そこら辺はやり尽くしてる気がするんだよなあ。もう完全にオタクの語彙化しているというか。
オタク的な想像力の範囲内に、オタク文化が縛られているのはあまりにも惜しい。もっと面白いはず。もっと遊べるはず。