ロバート・A・ハインライン『夏への扉』

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

うむ、古典だ。タイムトラベル技術に関しては、わざわざ語るものでもなく。それよりも事件や出来事の関連性が面白い。
主人公はあるいざこざから、1970年から冷凍睡眠をする羽目になり2000年に目を覚ます。彼は愛猫家であり、また進んだアイディアを想像できる優れた技術者であるのだが、感情的になると冷静さを大きく欠いてしまう人物でもある。その彼が、友人・恋人でもあり自分の持つ会社の共同経営者でもある男女に、手痛い目を食わされた事が全ての発端に。
物語後半で彼はなんと1970年に戻れてしまうのだけれど、そこからのお話がトントン拍子で面白い。前半・中盤が丸々活きてくる。
しかし主人公はその行動力や頭の冴えをさっ引いても、もの凄くツイていると羨ましく感じる。少なくとも、従姉妹の存在はズルい。