00年代の半ばで、『ポスト・エヴァ』を叫んだけもの

『00年代の代表作と言えるアニメを決めようぜ』、というスレが2ちゃんにあるらしいことを以下で知る。
 
http://d.hatena.ne.jp/GilCrows/20060624/p2
 
該当スレはもう落ちたと思われるので、回収したログを以下に。(うp先のファイル容量上限を理由に二分割してあります)
 
1〜500
http://kimamajinsei.fc2web.com/2ch-as-00-log1.htm
501〜1000
http://kimamajinsei.fc2web.com/2ch-as-00-log2.htm
 
個人的な意見を最初に述べる。
 
『ポスト・エヴァ』という視点では、現時点で該当作なし。
他の意味での代表作?『あずまんが大王』と『攻殻機動隊SAC』でいいんじゃない?萌えブームの火付け役と、00年代的なアニメ製作の代表選手で。
 
何故、『エヴァ』が90年代の代表作扱いを受けているか。他の作品より多くの人に認知されているからだ。何故、多くの人に認知されたか。それが話題になったからだ。話題に持ち上げたのは誰か。オタクとサブカルと、その時点はどちらでもなかった中学生前後の子供だ。その当時中学生前後だった連中の中には、オタクかサブカルを経験して今20代となっている者が、かなりの人数いるはずだ。要するに、「その気」のあった子供たちを一気に引っ張りこんだ作品だから、『エヴァ』は『90年代の代表作』と言えるのではないか。『エヴァ』から他のアニメ・漫画に手を伸ばしていったのが現在の20代オタクで、『エヴァ』を取り上げた『クイックジャパン』なんかに傾倒していったのが現在の20代サブカル、私が大学時代に音楽サークル周囲の人間から感じた印象がそうだった。
「一般人からの認知度」を重要視する意見が、上記のスレでは何度か触れられていた。あと、現中高生の意見を求めたいという主張も、スレの当初にある。個人的には、現中高生に「自分がオタクとして目覚めた作品」を挙げてもらえば、『ポスト・エヴァ』候補作品は絞れると思うのだが。
「萌え」は00年代のキーワードであることに異存はなく、だとしたらアニメ代表作は『あずまんが大王』だと思う。ただしその理由は、この手の作品が意外と多くのオタクに受け入れられる、という提示をしたからに過ぎない。『攻殻』は00年代のTVアニメに求められたクオリティを示すという意味では『代表作』だと思う。しかし作品の内容が時代の空気を反映しているとは感じられない。順当なSF表現の進化ではあるけれど。『千と千尋』はオタク側に大きな影響があった作品とは思えないし、『クレしん』の劇場作品はオタク・サブカル内でアンテナの高い集団が「発掘」してきた印象がある。
私の判断では、「オタク未満」な子供が多数いっせいにオタク化するようなアニメ作品は、2006年の現時点では出てきていない。
 
さて、ここで上記のスレより感慨深いレスをピックアップ。

890 :メロン名無しさん :2006/06/25(日) 23:27:46 ID:???0
アニメじゃないんだけど
電車男」かもしれん

笑うべきところかも知れないけれど、本質は突いていると思う。
00年代を代表するオタク周辺の社会現象だったら、間違いなくこれ。オタクが社会認知された事件としては『ポスト・エヴァ』と言っても過言では無いし、それ以前よりも「オタクが一般社会に受け入れられやすい状況」≒「オタクを名乗りやすい状況」になるきっかけになった。
そういう状況が、「オタクは死んだ」とオタキングに言わしめたとも思えるのだけれど。オタクの側で用意していた「オタクの条件」が、機能しなくなってしまったのだから。

956 :メロン名無しさん :2006/06/26(月) 13:28:03 ID:???0
00年代の代表作出現の方程式

時間帯:土曜18時
期間:2クール
プロデューサー:竹田菁滋
原作:既に評価が確立している有名なもの
  (浦沢『二十世紀少年』、上遠野浩平あたり)
制作:京都アニメーション
監督:石原立也
脚本・構成:佐藤大會川昇

高度なレスだ(爆笑)。
旬な叩き材料によって各方面で着火するのが目に見えており、オタク・サブカル界隈の話題性はもう文句なし。これで作品がある程度のレベルで作られ、中高生を取り込められたら、間違いなく賛否の嵐が吹き荒れた果てに00年代の代表作となるよ(苦笑)。
 
アニオタとしては言いたくないのだけれど、やっぱり00年代は「アニメ」以外がオタク文化の中心だったとしか思えない。というか、「オタク」なのに放送本数に圧倒されてアニメを敬遠するようなオタクが増えているんじゃ、『ポスト・エヴァ』なんて「アニメ」から出てくるわけないじゃないか。