ハーラン・エリスン『世界の中心で愛を叫んだけもの』
世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)
- 作者: ハーラン・エリスン,浅倉久志,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/01/01
- メディア: 文庫
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4〜5日かけてやっと読み終えました。
中編物は下世話だったり暴力的だったりする人物が主人公の物語で、
短編物は摩訶不思議としか言いようの無い世界観のお話、と言った感じで、
中編物には出来にバラつきがあり、短編物はちょっと自分にはまだ分からないものも多く。
とりあえず、これは面白いなと思った作品を挙げます。
世界の中心で愛を叫んだけもの
不死鳥
眠れ、安らかに
鈍いナイフで
名前のない土地
星ぼしへの脱出
満員御礼
「眠れ、安らかに」が個人的に一番面白かったです。この短編集に収められている作品はクライマックスへ進むにつれ、主人公がある意味ふっきれちゃう状態になる話が多いのですが、この話の主人公はだんだん疑心暗鬼になり、迷いが拭えぬままの結論を導き出したように見えました。続きを想像したくなる作品というのは、とても好みなので。
表題作品は文句なしです。「愛」が何か、「愛」はどこからやってきたのか、その行いが何故「愛」と呼べるのか?作者の想像力に敬服。
逆に全然分からなかったのが「ピトル・ポーウェブ課」。イメージが湧かないんです。
ちょっと読むのに難儀しました。それにしても、作品ごとに執筆した場所が記載されていて、この作者は何処でも書いちゃう人なんだな、と。