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なぜ「まなびストレート」はハルヒになれなかったのか?
がくえんゆーとぴあ まなびストレート!について
サブアカでも取ってそこでやれ!!すいませんごめんなさいウソです許してぎゃー
 
世の中には隠れオタクという生き方をなさっている方も多いことをすっかり忘れておりました。自分も実質ここでオタク自我を隔離し、他のところに本来のブログが存在するような半端者であることを同時に棚上げしておりました。さてそんな冗談はさておき。
 
リンク先前者はちょっと待て、とそりゃ思う比較。そして結論。
ただ、まなびはハルヒありきを臭わせる演出を、平気でぶち込んでいたところはあるよなあ、と。というか、ufotableの作品って過去の作品をオマージュしまくってるところがあるよね。
指摘はそこそこ面白い気もするが、少々ムリヤリ感がある。生徒会なんて少数しか出来ないというけれど、正直まなびで表現された生徒会なんて「仲良しグループ」の域から抜け出せてないと思う。ゆえに、オタク的にリアリティを感じられないものかと問われたら、それは否。というかオタクは「学生」という設定だけで、よっぽど「普通の学生」でないことをさせない限りは、普通の演出をすれば共感するだろうと思うのだが。それにハルヒもまなびも、振り回し役というポジションでは同一。呆れつつ参加するか、おずおずとついて来るかの違いはあれど、キョンとみかんの役どころも同じ。物語内における、ね。キャラの持ち味こそ違えど、構図は同じ。
文化祭中止からの過程は、まさに生徒会というはげたメッキを取り戻す作業そのものだったんだろうね。で、ここを擁護するとリンク先後者の意見につながるわな。
個人的には、ここの部分を評価出来ない。特に、これの記述者が言う「絶望的な日常の連続」に身を任せた学生達を、まなび達が取り込もうとする部分の描写が物足りなく、またさらりとご都合展開で可決させてしまったところが、俺にとって最も残念なポイントである訳だ。例えば合併先の学園長が示す「70%の署名」の根拠。これがまずよく分からない。そして、時計台の爆発と共にそれ以前の回で明かされていた廃止された寮への生徒会室移動、ここに一般学生がそれ以前の生徒会室の片付け同様に参加してリフォームし、そこから皆で共同作業の楽しさを一般学生が知って署名が70%を超えるという展開が、俺にとって最も理解不能である。いや、ちまちま主人公たちにスポットが当たるのは良いんだが、70%ですよ70%、いくらなんでもそう簡単に行くか普通、どんなにリフォームが楽しいとは言え、掲示板ビラくらいから来た少数の学生から、そこまで盛り上がるのか、そのまま学園祭署名につながるか普通、と。多分、ここの一般学生側の表現が、ぜんぜん足りてなかった気がすると思うんだよね。学生同士が携帯電話で呼び出すとか、会話としてもう少し彼女らの意思表示が欲しかった気がする。そこを、ただ楽しげな作業風景で終わらしてしまったところが、非常に惜しい。そして結局、時計台爆発というあり得ない話から弱い団結表現を見せられて、すんなり学園祭が始まってしまい、そして結局最終回では生徒会メンバーが生徒会メンバーで相変わらず固まっているだけで一般学生の入り込んでない雰囲気が、もの凄く気になる訳だ。生徒会メンバーに突きつけられた、合併先理事長の問題提起が、乗り越えられた気がしないんだよね。あなた達だけがやりたいんじゃないの、という言葉が。それこそ世の中の経年劣化したたくさんの組織が抱えてる問題であり、非常に現実的な指摘なんだけど、そこをアニメ的な「仲良しムード」で乗り越えてしまっているのに、個人的に大いにガッカリしたし説得力が感じられなかった、と。どうせ描くなら、もっと署名集め必死にしてクラス回ってもの凄く冷めた目でうざがられたりとか……あーこういうのはウザイのでこれ以上自粛するけど、そういうもっと逆境感を煽りに煽りまくる演出が欲しかったなあ、と。少子化、冷めた若者、という妙に現実的な要素が、作品の入口では機能していたのに出口では無視されたところに、この作品の一番残念さがあるというか。結局、楽しむだけのアニメになってしまったというか。
ハルヒは客の側をある意味皮肉っているとも取れるような「楽しさ」の演出が、まなびには皮肉もなんもなく現実味のない別世界としての「楽しさ」の演出しかなかった、とこの両作品を比較すると言える気がする。まなびは、「現実でもこれは楽しい」という感じが無い。ライブシーンは確かに唯一やって楽しそうという演出だったけれど、他はイマイチ押してこない。画面の内側にとどまっている感じ。抽象的な物言いになってきたけれど分かるだろうか。
 
結論として、まなびは失敗していない、と思う。ハルヒは爆発力があったが、まなびは安定してた、という、作風でも客層の面でも。だけれども、その脚本の漏れ部分は見逃していいものとは思えない。そして、まなびはアニメとして面白かったとは思うけれど、作品として視聴者になんらかの宿題を与えたようには思えない。そんな風に思う。
そして、そんな全ての主張をたちまち吹き飛ばしてしまう素敵な言葉が……
 
「たかがアニメじゃない」
 
はいオチた!!オチてない!!
 
……支離滅裂だね。そんだけ俺はまなびに期待してたというコンプレックスの表れかもしれんね。画面の向こうのユートピアで終わって欲しくなかったと。