アーシュラ・K・ル・グィン『闇の左手』

……凄かった。
序盤で全然掴めなかったのに、エストラーベンが追放されるあたりからじわじわとのめり込んできて、後半部の雪原を行くアイとエストラーベンの描写からドツボにハマり、ラスト2章で途方に暮れさせられた。こういう作品はどうも上手く説明出来ない。ただ、他の作品からは味わえない後味を残す小説であることは間違いないと思います。
ジェンダーSF云々に関しては、当方がどのように語ればよいか分かりません。もっと単純に、異なる文化を持つ者同士が極限環境で持つ交流の姿に、ジェンダー論的な着眼自体が狭い視野だと思えてしまった。