そんな訳で、森見登美彦の本を読む訳です

関係ないな。
 
全くの自分語りから。
一年以上前、『四畳半神話体系』を貸してもらった後輩と、学祭時における実行委員会泣かせな『移動屋台計画』なる冗談で、無駄に盛り上がった事があった。ウチの母校には、コタツを以って学生運動を行っていた団体もあった。学祭時には、ちゃぶ台屋台も存在した。『頭脳パン』崇拝サークル対『鍋料理』急進派の対立劇も存在したっけ。
夜は短し歩けよ乙女』を読んでいて、そういう連中に似通った第三章の学園祭描写に爆笑。独力でこれを全部創作したのなら、バカ過ぎて天才だと思うし、もし登美彦氏の出身某大学に元ネタが存在していたとするなら、それはそれでやっぱり天才的なバカ学生が多数居たんだろうと喜んでしまう、やっぱり俺もバカ。
 
『四畳半〜』組の登場人物と似通った人物を咬ませつつ、なんでもありな雰囲気を醸し出しながら、『太陽の塔』の真逆を行った様な作品だという印象。なんだこの素晴らしい天然少女は。なんだこのいつも通りな見当違い片想い男子は。相変わらず京都を舞台装置にして、勝手気儘たる舞台演劇風味。
もう「偏屈王」万歳。ご都合主義もここまで騒々しく、かつ愉しく、そして美しくやられると、笑みしか浮かんでこない。
捻くれた若者に、本人も理由の分からない若気の至り全開なドタバタ劇をさせる、このパターンがなんでこれほど毎回面白いんだろうなあこの作家は。
過去作より、一皮向けたポップさがある感じ。むしろ、天然乙女視線でこんだけ面白い文章も書くのかと、そこが一番驚いたような。これはきっと乙女回路だ。ロマンチック・エンジン全開だ。
 
そんな訳で風邪が悪化する。やっぱぜっんぜん関係ないな。
 
俺も天狗になりてえ。

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女