神林長平『グッドラック 戦闘妖精・雪風』

グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)

グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)

「すげぇ……」「……すげぇえぇ」と、途中からそればっか呟きながら、2日間かけて一気に読み終えた。
他に、何を言えと?つうか、出ねえんだよ、他に言葉が。参った。
前作に比べると、妙に人間臭さが増した感もある。多分、主人公の零が変化している様子を描いているからだろうなあ。じゃあ、その変化が何によって生じているかと言えば、うーん、「戦況」ということになるんだろうか。
とにかく「変化」が凄まじい、そのスピード感も、予想のつかなさも。全てに不信感を持つような状況から、ここまで突き抜けた最後まで一気に駆け抜けていくとは、そりゃあ言葉も出ないって。全然、読んでいて先が読めないんだもの。しかも、何かが変わっているのは分かるけれど、具体的にどう変わったかがすっきりと分からない。変わった何かが掴めそうになったと思うと、また新たな変化が起こっていて、すげえ、すげえ、すげえすげえすげえ。やっぱり、ジャムの正体は分からないし、FAFの内部はグチャグチャしてるし、だけど着実に変わってきている、その変化の一部始終を、視点移動を章毎に切り替えたりしながら、見事に描ききってる感じが、すげえ、すげえ、超すげえすげえすげえ、ってまたか。
再読必須だあ。