フレドリック・ブラウン『火星人ゴーホーム』

火星人ゴーホーム (ハヤカワ文庫 SF 213)

火星人ゴーホーム (ハヤカワ文庫 SF 213)

読む前に想像したよりも、ずっとマジメな印象を読後に感じて驚いた。
ウソや誇張や秘密をバラして人をからかうのが大好きな火星人に振り回されて、人類まとめて大混乱。火星人からしてみれば、冷戦構造も恋愛沙汰も世界平和も資本主義も狩猟社会もみんな嘲笑の対象扱い。そういうところは社会風刺として痛烈な印象。
まともにコミュニケート出来ない相手に混乱させられた人々が、精神的に参ってしまうところを主眼に据えたのに、鋭さを感じる。そこに哲学的な話題まで、ここら辺がこの作品の肝。
 
ああ、火星人てネットイナゴはてなカラスみたいな連中だなーw