コリィ・ドクトロウ『マジック・キングダムで落ちぶれて』

マジック・キングダムで落ちぶれて (ハヤカワ文庫SF)

マジック・キングダムで落ちぶれて (ハヤカワ文庫SF)

読み終えた後に一抹の寂しさと侘しさを感じた。
前半は少々タルい。ちょくちょく回想なんかが入ったりするが、結構な寄り道感がある。
しかし、中盤を過ぎて主人公がのっぴきならない状況に陥ってくると、俄然面白さを増してくる。かけ引きというよりも、感傷的になりながら暗中模索の手探り状態であるのが、展開の魅力だと思う。
あとは主人公の友人であるダンが、やっぱり憎めない。
ディズニー・ランドやディズニー・ワールド大好きと言う人には、細かい描写までしっかり楽しめるのだろうけど、親しみの無い俺にはちと分からんかった。世界観もいきなりで掴みにくい印象を受けたし。そういう意味では、次に日本語訳される作品があったら、そこら辺のとっつきにくさがどうなっているか気になるところ。
映像化向きな作風であるな、と感じた。漫画やアニメになれば魅力がより一層伝わるかも知れない。
いや、挿絵を数点入れるだけでいいのかも知れないが。