レイ・ブラッドベリ『華氏451度』

華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)

華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)

ちょっと理解に手間がかかった。
50年代の小説が描いた未来なので、今のTVやラジオの感覚だと理解しがたいかも。
メディア統制のかけられた世界と、メディア・リテラシの無い人々の世界で、
それらに疑問を持ってしまった主人公の話、というところか。
50年近く昔の作品なのだが、意外と的を射ている、という印象。
強制的なメディア統制は『自由主義』なお国じゃ起こっていないけれど、
それでもメディアの見せるモノが真実か否かは疑わしい。
人々もある程度メディアには疑いを持っているけれど、
気付かぬうちに影響下におちていたり、
メディア提示に対して、それへの賛否以外の発想が出来ないようになっていたりする。
まさに温故知新。