小川一水『老ヴォールの惑星』

1番目と4番目の短編が個人的に好み。
基本的に、力強さを持つ主人公の活躍する話は好きだ。
そこに奇想天外な状況が組み合わさってきて、先が読めないのが良い。
2番目の表題作品はあまり読んだ事のない作風で面白かった。
完全に想像の生き物と世界、というのは文章のみではイメージがわきにくいけれど、
一番チャレンジャブルな内容になってると思う。
3番目の作品は個人的にオチが気に喰わないが、話はそこそこ面白い。
多少読めてしまう展開であるけれど。
オチの違和感は、そこに作者と自分の、擬似世界に対する考え方の違いがあっただけ。
特に1番目と4番目の作品がそうなのだが、
それほど科学的知識を押し付けられる作品ではないと思うので、
あまりSFに興味ない人でも本好きにはお薦め出来る作品かと。