エリートが下野するより、「アニメ批評するための基礎教養」まとめ記事だとか、「アニメ批評をしてみたい人にお薦めな入門書」紹介記事だとか、そういう実用的なものの方がよっぽど効果がありそうだと思うのは俺だけか。基礎の無い人が多いから、ダメな批評や口を濁した批評が蔓延するんじゃないのかなあ、と。アニメの基本的な構造さえ、実は理解出来てないアニオタも意外に多そうだしな。当然、俺も含む。
でも、そもそも「批評」をしたいアニオタがどれほど居るのか未知数だけど。それが「熱意」の問題なんだろうな。
……間違った熱意を持ってるヤツはそれなりに居るようだが。
 
しかしエロゲやラノベやマンガに比べて、ネット上におけるアニメ批評が、一段劣る印象を受けるのは何なんだろう。放送というカタチだからか、それともアニメの表現が複合的だからか、それともアニメばかり観ているヤツなんてやっぱり……
 
個人的に『まなびストレート』の「批評」として面白いと思ったのは、kir-royalさんの記事。作品から見える技法なんかにはあまり触れていないけれど、この作品から見える作り手と消費者の関係を突いてる点で、説得力を感じた。定型の「アニメ批評」ではないけれど、時代を見る目としての「批評」としては正しいなあ、と。俺が「ノスタルジー」としか言えてなかったり、否定派が「陳腐なテーマ」という風にしか述べてなかったり、肯定派が「美しい友情・成長物」という感じで手放しに誉めてたりしたポイントを、上手く整理して表現出来ている。そして、本人の好悪感情は上手く隠されている感じがまた、ニクいな。
これもまた、「批評」だよね。
 
全く、「批評」ってなんだか分からねえな。下手に批評っぽくやろうとするから、ダメな批評が生まれるんじゃないの?それでも批評がやりたいのなら、ジャンルそのものに関する様々な勉強がまず必要だし、そこに引用されるような周辺文化も知らなきゃいけないし、時流や世相を見る目もきちんと養うべきだよね。
まあ、そんな事をどのレベルまで要求するかによっちゃ、書き手が居なくなる可能性もある訳だよな。さあさあジレンマ。さあ、どうする?