ジョージ・オーウェル『1984年』

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

二重思考』と権力が最大のテーマ、と思った。主人公が独裁支配を行う自国の党に疑念を深めていく第一章、党への不信を分かち合う女性や上司と付き合いながら自らの信念を強める第二章、そして逮捕され恐るべき党の本質に気付かされる第三章、という構成。
権力というものの欲望と、『二重思考』という処世術・社会適応術を描き出すことによって、単純な全体主義批判で終わらない特徴を持っていると思う。
それにしても、これを某全体主義国家の批判スタンスと解釈して薦めている人多いなあ。いやいや、『二重思考』している人々は至るところに居るでしょう。ねえ?