J・P・ホーガン『星を継ぐもの』

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

うん、これは・・・微妙に思うのですが。
ちょっとありきたり且つトンデモな理屈でオチをつけてるように思えます。
まあ、そう思うのはその手のお話を小説以外の形で、多々触れてきたせいもあるのでしょうけど。つまり自分が過去に見た映像作品やらの中で、同じような形のお話を無自覚なうちに「よくあるパターン」と認識しているのかも知れない、という意味で。
登場人物たちがする推理の過程のやり取りはとても面白いのですが、どうも少しシンプルさに欠けて、例えばダラダラとした議論が本当にダラダラ書かれていたりするのが、なんとも厳しいです。
これの続編を読んだらまた印象が変わるのかも知れませんので、気になるところです。そして作者の個性が掴めれば楽しみ方が変わるかもしれません。
現状は、「時代を超えた名作」とはちょっと言えない、とりあえず自分が人に薦めるタイプの本ではないなあ、という感想をまとめとしておきます。
つまらなくはない、でも飽きそうになる、結論こそトンデモだけどクライマックスの方はやっぱり面白いんだよね、もう少しコンパクトにまとまりそうな気がするのが本当に惜しい。