敵視され・軽蔑される・萌える群れ

まず引用。
【The Perfect Kiss】Welcome To Madchester
『「平坦な戦場」の在り処』
http://d.hatena.ne.jp/republic1963/20060817#p2

これは嫌オタク流読んでたときや、オタク・イズ・デッドの話を聞いた時にも凄く気になっていたことでもあります。

いや、何となくわかる。第3世代オタクだか萌えオタクだか呼称はいろいろだけど、彼らを切り捨てたいんだろうなぁという政治的意図は。(私はそういうオタク界政治みたいなのはよくわからんのでこれ以上は触れません。)

でも、なんで彼らが邪魔なのか、最悪なのかが全然わからなりません。

「平坦な戦場」という言葉があります。まぁ私のようなサブカルうんこインテリ的な人間とかが非常に好みそうな言葉ではあるところなんですが、そこがどこにあるんだろうなということが凄く気になる。私自身はそれは現実社会というか、会社なり学校なりにしかそれは在り得ないんだろうとおもうんだけど、それで、そこでどう生きるかというのを考えたときにもうオタク対サブカルなんていうアングルはクソの役にも立たないと思うんですが。ましてやオタク内のグループ間対立なんて何おかいわんや。

第三世代オタク≒萌えオタが、第一・第二オタクや同世代サブカル非モテ≒文化系ニートに嫌われ、叩かれる理由ねえ。それの政治性ねえ。まあ、『非モテ≒文化系ニート』なんて連中の自称も、極端だなあと感じているが。『文化系ニート』なんて一般人が想像できそうに無い概念だしなあ。
 
という訳で、『第三世代≒萌えオタ』を叩きたいみんなの、心のうちを考えよう。
とりあえず叩く側は何者なのか。
彼らはどの派閥をとって見ても、世間から趣味の面で浮いちゃった人々である。そして、その自分たちが浮いている世間に対して、妙なコンプレックスを抱いている人たちである。彼らは群れている。彼らの群れにはボスが居て、その思想的リーダーシップを執っていたりする。
かたや、叩かれる『第三世代≒萌えオタ』はどうか。
彼らも趣味の面では世間から浮いちゃってはいるが、叩く面々ほどの世間に対するコンプレックスは抱いてはいない。群れている時もあるが、非常に流動的なメンバーを内包する。彼らの中から先導者が出ているのかどうかはよく分からない。如何せん、第一・第二世代と比較して圧倒的に人数が多いのが、この人種である。
要するに、まだ淘汰が進んでない状態にあるのが『第三世代』である。
その中にまず『萌えオタ』が、おそらくたくさん居る。そして、『第三世代』をどのようにして先行世代と差別化するかに、『恋愛』や『スクールカースト』という「クラスのいじめられっ子」的概念で総括を始めたのが、『非モテ・文化系ニート』という派閥である。加えて先行世代からの知識・センスの継承を望む層も居る。
ただ『萌えオタ』の括りが非常に厄介だ。本当に救いようも無く『キャラ萌え』してて、現実とお別れしちゃっている人も居るには違いない。確かにメディアで醜態を披露してくれたりするのは、こういうレベルまで至った人種ではある。ただ、こればかりが『萌えオタ』ではない訳で。
要するに、本来は『アニオタ』『特撮オタ』『漫画オタ』『ミリオタ』等々と同様に、『萌えオタ』もカバージャンル名なのだ。『萌えオタ』のラベリングは。つまり中には濃い人も薄い人も存在する訳であり。そして。
『萌え』が一大主要ジャンルと化した現在、『萌えオタ』に含まれる『ヌルオタ』は、最も規模の大きいオタク集団だ。『萌え』は「表現内容」ではあるが、「表現媒体」ではない。『萌えオタ』はどんな「表現媒体」も平等に、萌えるか萌えられないかの判断基準で横断してゆく。「表現媒体」ジャンルのオタクは彼らの価値基準を理解できず、同時に彼らが自らの継承した情報や判断基準を拒絶するのに嘆く。
 
ダメだ、まとまらねえ。
という訳で、こういう時は論述回答の基本に立ち返り、結論を先に書け。
 

  • 結論

まず『萌えオタ』や『ヌルオタ』は、「オタク文化」を継承しようとする存在ではない。
また彼らの価値基準は、それ以前のオタク文化にとって価値基準の崩壊をもたらし得るものである。
ここで再度上のリンクから引用を持ってくるとすれば、

だって、私たちが会社で会う人とか、そんなの理解してると思います?オタクが何か、サブカルが何か、Webがどうしたとか、宮台がどうしたとか、そんな事を全く理解せず、ただ自然と「素晴らしい/素晴らしくない」を判別してくる。そんな人間と戦わなければならないと思うんですが。

オタクというカテゴリに居るようで、実は過去のオタクと断絶しているのが『萌えオタ』、そして『ヌルオタ』。
結局、第一・第二世代やサブカルの情報や価値観を全く共有出来ない人種と言う点では、引用の中に出てくる仮想敵と大差が無いと思われる。
 
オタクが別物の存在となるのか、伝統文化のような閉じ具合を示すのか、それは今後の展開次第。
要するにオタクの生き残り競争。負けた方はオタクでさえなくなると。負けたら困る側が、オタクじゃなくなってもさして困らない層に攻撃をしていると。そういうことに違いない。
 
やっぱり纏まってねえし、引用先を誤読してるよなーと思ったり。
 
・・・ああ、引用先は『オタク系生活圏』の話なんだな。道理で噛み合わない印象がある訳だ。
とりあえず後で『Planet Vol.2』と『クリルタイ』と『オタク・イズ・デッド』を纏めて探して来て読まなきゃ、と言うか知り合いに対する遠回りな「貸して宣言」。